
配属先の市町村で公共交通が使えるかどうかが、そのまま原付免許の要否になります
技能実習生・特定技能外国人にとっての原付免許は、新聞配達のように業務そのものに使う免許とは性格が違います。多くの場合は通勤手段の確保です。
地方の事業所では、最寄り駅からバスが1日数本ということが珍しくありません。通勤できないことは、そのまま定着しないことに直結します。受け入れ側にとっては、住居の手配と同じ列に並ぶ実務です。
この記事では、監理団体・登録支援機関・受け入れ企業の担当者に向けて、制度上どこまでが受け入れ側の責任なのか、どのルートで取らせるのか、配属日から逆算していつ動くのかを整理します。
※この記事の内容は2026年9月時点のものです。制度・対応言語・手数料は変わります。手続き前に、受験する都道府県の警察・運転免許センターで必ず確認してください。
特定技能では、運転免許の案内は義務ですか
まず、見落とされやすい制度上の位置づけから。特定技能では、運転免許の話は「やってあげると親切なこと」ではなく、支援計画の中に位置づけられています。
生活オリエンテーションの説明事項に入っています
出入国在留管理庁の「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」は、生活オリエンテーションで説明する事項を列挙しています。その「③ 交通ルール等」に、次の一文があります。
「自動車、バイク等を運転する場合は運転免許が必要であること(必要に応じて、運転免許の取得方法・自動車保険の任意保険への加入等)」
つまり運転免許の取得方法を案内することまでが、義務的支援の射程に入っています。バイクで通勤させる前提なら、「必要に応じて」は満たされていると考えるのが自然です。
「十分に理解することができる言語」で、8時間以上
同じ運用要領は、生活オリエンテーションについて本人が十分に理解することができる言語で実施することを求め、内容を十分に理解するためには少なくとも8時間以上が必要としています。
👉 制度は「母語で説明せよ」と言っています。それなら、その先の学科試験の準備だけ日本語で丸投げする運用は、筋が通りません。
通勤経路の説明も義務的支援です
続く「④ 交通機関の利用方法等」では、就労・生活する地域の公共交通機関のうち通勤に最適なものと、勤務先までの経路および所要時間を説明することとされています。
裏を返せば、制度は受け入れ側に「この人はどうやって通勤するのか」を答えさせています。公共交通で答えが出ない地域なら、答えは原付になります。
技能実習では、いつ免許を取らせればいいですか
技能実習には、特定技能の生活オリエンテーションに相当する運転免許の案内を名指しした規定は見当たりません。この記事では、確認できない以上「義務です」とは書きません。
ただし通勤手段を確保しなければ実習が続かないという実務は、まったく同じです。そして技能実習には、免許取得のタイミングとして使いやすい期間が制度上あります。
👉 入国後講習の期間です。技能実習法施行規則により、入国後講習の期間中は技能実習生を業務に従事させないこととされています。講習時間は第一号技能実習の予定時間全体の6分の1以上(入国前講習を受けた場合は12分の1以上)です。まとまった時間が取れるのは、配属後ではなくこの時期です。
原付免許に技能試験はありますか
ここから取得方法です。まず誤解されやすい点から。原付免許を取るのに、実技の試験は課されません。免許センターで新規取得する場合も、外免切替で取る場合も同じです。
外免切替では通常、知識確認に加えて技能確認(実際に運転する試験)を受けます。この技能確認は2025年10月の改正で厳しくなり、合格率は13.1%まで下がりました。しかし原付免許を申請する場合、技能確認は不要です。さらに原付講習も必要ありません。
👉 「外免切替は実技が厳しいから避ける」という判断は、原付に関しては当てはまりません。比較すべきは、合格率・受験できる言語・手続きの段取りの3点です。
原付を取る方法は、何通りありますか
免許センターで新規取得 | 外免切替で原付を取得 | |
|---|---|---|
学科・知識の合格率 | 58.7% | 42.8% |
技能試験・技能確認 | なし | なし |
原付講習 | 必要(日本語のみ) | 不要 |
受験できる言語 | 都道府県により0〜20言語 | 20言語 |
予約が必要な回数 | 試験日の1回 | 書類審査と知識確認(県により同日/別日) |
待ち時間 | 1か月以内の地域が多い | 地域により1〜3か月 |
母国の免許 | 不要 | 必須(+取得後3か月以上の滞在) |
👉 分岐点は「配属先の県で、その人の母語で学科試験を受けられるか」です。受けられるなら合格率の高い新規取得が有利。受けられないなら、20言語で受験できる外免切替のほうが現実的です。
原付の学科試験は、何語で受けられますか
2024年6月から全国で20言語対応が進んでいますが、その対象は第一種・第二種・仮免許の学科試験と、外免切替の知識確認です。原付免許の学科試験は都道府県が独自に決めており、扱いが異なります。(警視庁「外国語により受験できる学科試験について」)
東京都(警視庁・2026年5月11日更新) | 5言語(英語・中国語・ベトナム語・ネパール語・ミャンマー語)/府中・鮫洲・江東で平日実施 |
神奈川県・千葉県 | 英語のみ |
受け入れ先の事業所がどこにあるかで、受験できる言語が変わります。同じ首都圏でも、県が変われば条件が変わります。
たとえばインドネシア語話者を神奈川県の事業所に配属する場合、原付の学科試験を母語で受けることはできません。このとき本人が母国で免許を持っていれば、20言語対応の外免切替で原付を取るという選択肢が有効になります。技能確認も原付講習もないため、日本語の壁は知識確認50問だけになります。
👉 配属先を決める前に、その県の対応言語を確認してください。原付試験を20言語化する県も出てきているので、去年の情報で判断しないことです。
👉 47都道府県すべての対応言語を調べた一覧を別記事にまとめています。公式ページに記載のない県は運転免許センターへ電話して確定させたものです。本人に渡す資料としても使えます。必要書類・費用・当日の流れまで、受験する本人向けに書いています。
外免切替を選ぶ場合、どこでつまずきますか
外免切替には、免許センターでの新規取得にはない段取りがあります。知識確認の前に、書類審査があります。
書類審査にも予約が必要です
まず書類審査の予約を取り、そこを通過してから知識確認に進みます。そして書類審査を通過したその日に知識確認まで受けられる県と、知識確認が別日になる県があります。別日なら、そのぶん取得までの日数が伸びます。
書類に不備があると、どうなりますか
書類に不備があると、その場で申請が通らず、また予約から取り直しになります。知識確認に進むことすらできません。主な必要書類は次のとおりです(警視庁)。
外国の運転免許証(有効期限内のもの)
運転免許証の日本語翻訳文 — ジップラスまたはJAF(日本自動車連盟)などが作成したもの
住民票の写し — 国籍・在留資格・在留期間満了日・在留カード番号などが記載されているもの
在留カード、パスポート — 免許取得後にその国に3か月以上滞在していたことを確認するため、古いパスポートが必要になる場合があります
写真1枚 — 縦3cm×横2.4cm、6か月以内に撮影
運転免許証の日本語翻訳文は、ジップラスで作成できます
必要書類のうちいちばん抜けやすく、かつ受け入れ側で先回りできるのが「運転免許証の日本語翻訳文」です。本人任せにすると、どこに頼めばよいか分からないまま当日を迎え、書類審査で止まります。
この翻訳文は、Driveyを運営するジップラス株式会社でも作成しています。
学習と書類準備の窓口が1つにまとまります — 教材の手配と書類の手配を分ける必要がありません
複数名をまとめて依頼できます — 同時期に入国する実習生をまとめて進める場合、一人ひとりが別々に手配するより確実です
入国前から着手できます — 学習の開始と同じタイミングで進めておけば、入国後すぐに書類審査へ進めます
👉 翻訳文でつまずいて予約を取り直すのが、外免切替でいちばんもったいない遅れ方です。配属日が決まっている場合、この1回の遅れが通勤手段の確保そのものに響きます。
試験が免除される国は、どこですか
外免切替では、免許を取得した国によって知識確認・技能確認がどちらも免除される場合があります。対象は次の29の国・地域です(警視庁)。
アイスランド/アイルランド/アメリカ合衆国(オハイオ州・オレゴン州・コロラド州・バージニア州・ハワイ州・メリーランド州・ワシントン州に限る)/イギリス/イタリア/オーストラリア/オーストリア/オランダ/カナダ/韓国/ギリシャ/スイス/スウェーデン/スペイン/スロベニア/チェコ/デンマーク/ドイツ/ニュージーランド/ノルウェー/ハンガリー/フィンランド/フランス/ベルギー/ポーランド/ポルトガル/モナコ/ルクセンブルク/台湾
技能実習・特定技能の主要な送出国——ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、中国、カンボジア、タイ、ネパール、モンゴル、スリランカ、バングラデシュ、ウズベキスタン——は、いずれも含まれていません。したがって知識確認50問は必ず受けることになります。
配属日から逆算したスケジュール
通勤手段は配属初日から要るので、配属日を起点に逆算します。免許センターで新規取得する場合の目安です。
入国2か月前 | 母国で学習を開始。日本の交通ルールは来日前でも学べます |
入国前 | 配属先の県の対応言語を確認し、ルートを決める。外免切替なら翻訳文の準備も並行して進める |
入国直後 | 住民登録。試験の予約を入れる(1か月以内の地域が多い) |
入国後講習の期間中 | 業務に従事しない期間なので、受験日を差し込みやすい。特定技能なら生活オリエンテーションと同じ時期 |
配属日 | 免許を持った状態で配属。初日から通勤できます |
外免切替を選ぶ場合は、ここに書類審査の予約と、1〜3か月の待ち時間が加わります。配属日から逆算して間に合うかを先に確かめてください。
不合格になると、この逆算が崩れます。受験手数料が再度必要になるうえ、予約も取り直しになります。
原付の学科試験は「勉強しなくても受かる」試験ではありません
48問・50点満点(文章問題46問+イラスト問題2問)、45点以上(90%)で合格(神奈川県警察)
合格率は58.7%
警察庁の統計では、年間162,668人が受験し、95,495人が合格。裏を返せば67,173人が不合格になっています
58.7% 原付学科試験 | 67,173人 年間の不合格者 |
合格ラインが90%と高く、文章問題が中心です。母語で受験できる場合でも、日本の交通ルールを正確に理解していなければ届きません。
👉 外免切替を選ぶ場合は、知識確認で何が問われるのかを先に確認してください。出題内容・合格率・対策をまとめた記事と、実際の出題形式に沿った練習問題(答えと解説つき)を公開しています。出身国によってつまずく箇所が違うため、受け入れ前に本人の弱点を把握しておくと準備が早く進みます。
失点が集中するのは「母国との運用の違い」です
日本は左側通行 — 標識の向きや右左折の考え方を取り違えやすくなります
横断歩道での歩行者優先 — 「渡ろうとしている歩行者がいれば必ず一時停止」が基準です
踏切では必ず一時停止し、窓を開けて安全を確認する — 国によって扱いが大きく異なります
「徐行」の定義 — すぐに停止できる速度で進むことで、「ゆっくり走る」とは違います
日本語の暗記から入ると、言い回しが少し変わっただけで崩れます。母語で「なぜそのルールがあるのか」を理解しておくことが、初めて見る問題への対応力になります。
複数名をまとめて進めるときの実務
費用(東京都・2026年9月時点)
受験手数料(原付) | 1,600円 |
免許証交付料 | 2,350円 |
原付講習 | 5,250円(東京都。金額は都道府県により異なります) |
手数料は警視庁「原付免許試験」によります。不合格になると受験手数料は再度かかります。同時期に10人・20人を進める場合、合格率58.7%をそのまま当てはめると、4割前後が再受験になる計算です。事前準備の質が、そのまま費用とスケジュールに跳ね返ります。
進捗を把握できる状態にしておく
複数名を同時に進めると、「誰がどこまで学習したか」が見えなくなります。本人の自己申告に頼ると、受験直前になって準備不足が判明します。入国前から学習させる場合はなおさらで、離れた場所にいる相手の進捗を、受け入れ側が確認できる仕組みが要ります。
Drivey 法人プランのご案内
Drivey(ドライビー)の法人向けサービスは、運転免許の学科試験対策と安全運転教育をオンラインで完結させ、その進捗と成果を「見える化」する法人向けプラットフォームです。運営はジップラス株式会社で、運転免許証の日本語翻訳文の作成も承っています。
入国前から学習を始められます
Web環境と端末があれば、送出国にいる段階から学習を開始できます。受け入れ側は法人管理画面で、誰がどこまで進んでいるかを遠隔で確認できます。入国後講習の期間に詰め込む運用と比べて、配属までの余裕がまったく変わります。
原付にも外免切替にも対応しています
原付免許コース・外免切替コース・仮免許コース・普通免許コース・二種免許のすべてに対応しているため、ルートが確定する前から準備を始められます。「配属先の県の対応言語を確認してからルートを決める」という進め方をしても、学習は止まりません。
6言語対応
日本語・英語・中国語・ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語。母語で日本の交通ルールの意味を理解してから、本番に臨めます。ふりがな付きの日本語もあるため、日本語で受験する方も漢字につまずかずに学習できます。
法人管理画面
メンバー管理 | アカウント作成と招待、免許種(コース)別のライセンス付与 |
学習管理 | 学習時間・進捗、カテゴリー別の進捗率を確認 |
テスト管理 | テスト結果・合格率、受験日時や回数を把握 |
レポート | データレポートをCSV・PDFで出力 |
学習の中身
動画 — 横断歩道での一時停止や踏切の通過など、文章だけでは伝わらない場面を映像で確認できます
対話形式のQ&A学習 — 一問一答で知識の定着を確認します
理解度確認テスト・模擬試験 — 標識のテストから時間制限つきの模擬試験まで、本番と同じ形式で実力を測れます
免許取得の「先」も — 危険予測、交通倫理、マナーなど、通勤中の事故を防ぐ知識まで扱います
料金(税込・1ライセンスあたり月額)
5,500円 | |
5,280円 | |
仮免許 | 5,500円 |
普通免許 | 6,600円 |
二種免許 | 8,800円 |
法人向けプランには法人管理画面が付きます。「外免切替安心パッケージ」をご利用の場合は別途お見積りをお出しします。翻訳文の作成についても、あわせてご相談ください。請求書払いをご希望の場合もご相談いただけます。
👉 コースの中身は原付免許コース/外免切替コースのページで確認できます。個人でお使いの場合は無料トライアルから試せます。
👉 機能・料金・導入の流れは法人向けサービスのページにまとめています。お見積り・デモのご依頼はお問い合わせフォームから承ります。対象人数と、どのコースを何名分使うかをお知らせいただければ、そのままお見積りをお出しできます。
まとめ
原付免許は「通勤手段の確保」の問題です。公共交通が乏しい地域では、通勤できないことが定着しないことに直結します
特定技能では、運転免許の取得方法の案内が生活オリエンテーションの説明事項に含まれます。義務的支援であり、母語で8時間以上が求められます
技能実習には運転免許を名指しした規定は見当たりませんが、実務は同じです。入国後講習の期間は業務に従事しないため、受験日を差し込みやすい時期です
原付はどちらのルートでも技能試験がありません。外免切替で原付を取る場合、技能確認も原付講習も不要です(普通免許などの切替では技能確認13.1%)
免許センターで新規取得は学科試験58.7%、予約も1回で取りやすい。ただし受験できるのは都道府県により0〜20言語で、日本語で行われる原付講習が必要
外免切替で原付は知識確認42.8%と合格率は下がるが、20言語で受験できる。ただし書類審査にも予約が要り、書類不備は棄却につながります。翻訳文はジップラスで作成できます
判断は配属先の県で決まります。東京は原付5言語で平日受験可、神奈川・千葉は英語のみ
原付の学科試験は年間67,173人が不合格。事前学習なしでは通りません
学習は入国2か月前から始められます。受け入れ側は進捗を遠隔で確認できる状態にしておいてください
制度・対応言語・手数料は変わります。この記事は2026年9月時点の情報です。手続き前に、受験する都道府県の警察・運転免許センターで最新の情報を確認してください。
導入のご相談・お見積り 対象人数・対応言語・管理機能・契約条件をご案内します。デモもご覧いただけます。 お電話でのご相談 |
出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領——1号特定技能外国人支援計画の基準について」令和7年4月1日一部改正(生活オリエンテーションは義務的支援、十分に理解することができる言語により少なくとも8時間以上、説明事項に「③交通ルール等」「④交通機関の利用方法等」を含む)/外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則(入国後講習の期間中は技能実習生を業務に従事させないこと、講習時間は第一号技能実習の予定時間全体の6分の1以上)/警察庁「運転免許統計 令和7年版」(原付免許の学科試験 受験162,668人・合格95,495人・合格率58.7%)/警察庁公表 2025年10〜12月の外免切替実績(知識確認42.8%・技能確認13.1%。読売新聞・日本経済新聞・日テレNEWS NNN 報道)/警視庁「外国語により受験できる学科試験について」(2026年5月11日更新)/警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」(必要書類・29の免除国・3か月以上の滞在要件)/警視庁「令和7年10月1日施行・改正道路交通法施行規則について」(知識確認50問・45問以上・技能確認の厳格化)/神奈川県警察「原付免許・小型特殊免許の運転免許試験手続について」(文章46問+イラスト2問・45点以上)/警視庁「原付免許試験」(手数料・原付講習)/福岡県警察「外国免許からの切り替え手続き」(原付免許申請の場合は実技の確認が不要)


