
まず「自分の国が免除対象か」を確認してから、出題内容と対策に進みます
母国で運転免許を持っている方が日本の免許に切り替える手続きを、外免切替(がいめんきりかえ)といいます。この手続きでは、多くの方が知識確認(学科テスト)を受ける必要があります。
この知識確認は、2025年10月1日から大きく変わりました。問題数が10問から50問に増え、合格基準も上がり、合格率は42.8%まで下がっています。
この記事では、次の4つを説明します。
自分の国が試験免除の対象かどうか(まずここを確認してください)
知識確認50問に何が出るのか
どこでつまずきやすいのか
どう準備すればいいのか
※この記事の内容は2026年9月時点のものです。制度・手数料は変わることがあります。申請前に、お住まいの都道府県の運転免許センターで必ず確認してください。
【最初に確認】あなたの国は試験免除の対象ですか
外免切替では、免許を取得した国によって、知識確認と技能確認が免除される場合があります。ここで対象かどうかによって、必要な準備がまったく変わります。
知識確認・技能確認がどちらも免除される29の国・地域
アイスランド/アイルランド/アメリカ合衆国(オハイオ州・オレゴン州・コロラド州・バージニア州・ハワイ州・メリーランド州・ワシントン州に限る)/イギリス/イタリア/オーストラリア/オーストリア/オランダ/カナダ/韓国/ギリシャ/スイス/スウェーデン/スペイン/スロベニア/チェコ/デンマーク/ドイツ/ニュージーランド/ノルウェー/ハンガリー/フィンランド/フランス/ベルギー/ポーランド/ポルトガル/モナコ/ルクセンブルク/台湾
このほか、アメリカ・インディアナ州は技能確認のみが免除されます(知識確認は必要です)。
上のリストにない国の免許をお持ちの場合
知識確認(50問)を受ける必要があります。
ベトナム、ミャンマー、インドネシア、中国、ネパール、フィリピン、タイ、スリランカ、バングラデシュ、ブラジル、ペルーなどの免許は、上のリストに含まれていません。日本で暮らす外国人の多くが、この「試験を受ける側」に当たります。
👉 免除の対象は主にヨーロッパ諸国と韓国・台湾・オーストラリア・カナダなどです。それ以外の国の免許をお持ちなら、50問の知識確認を受けることになります。
もう1つの条件:免許を取った国に3か月以上いたこと
免除の対象国であっても、そうでなくても、外免切替には共通の条件があります。
その国で免許を取得した後、その国に通算して3か月以上滞在していたこと。
免許を取ってすぐに日本へ来た場合、この条件を満たさず申請できないことがあります。滞在期間はパスポートの出入国記録などで確認されます。
【重要】原付を切り替える場合、技能確認はありません
見落とされやすい点です。外免切替で申請する免許の種類によって、技能確認が必要かどうかが変わります。
普通免許などを切り替える |
原付免許を切り替える |
|
知識確認(50問) |
必要(合格率42.8%) |
必要(合格率42.8%) |
技能確認 |
必要(合格率13.1%) |
不要 |
原付講習 |
— |
不要 |
つまり原付だけが必要な方にとって、外免切替で越えるべき壁は知識確認50問だけです。実技の試験も、免許センターで新規取得するときに必要な原付講習も、どちらもありません。
👉 とくに、お住まいの都道府県で原付の学科試験が母語に対応していない場合、この違いは大きな意味を持ちます。原付の学科試験は都道府県によって1〜5言語しか対応していませんが、外免切替の知識確認は20言語対応だからです。
知識確認(50問)とはどんな試験か
2025年10月1日の改正で、知識確認は次のように変わりました。
2025年9月まで |
2025年10月から |
|
問題数 |
10問 |
50問 |
合格基準 |
7問以上(70%) |
45問以上(90%) |
出題形式 |
イラスト中心の選択式 |
文章問題が中心 |
知識確認の合格率 |
約9割 |
42.8% |
技能確認の合格率 |
約3割 |
13.1% |
問題数が5倍になり、合格基準も70%から90%に上がりました。50問のうち、間違えられるのは5問までです。
受験できる言語は20言語です(英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ミャンマー語・ネパール語・インドネシア語・タイ語・タガログ語・クメール語・モンゴル語・シンハラ語・ヒンディー語・ウルドゥ語・ペルシャ語・アラビア語・ポルトガル語・スペイン語・ロシア語・ウクライナ語)。母語で受けられる可能性が高いのは、外免切替の大きな利点です。
合格率42.8%:10人受けて6人近くが落ちています
厳格化以降(2025年10〜12月)の知識確認の合格率は42.8%です。
10人受験して、6人近くが不合格になっている計算です。改正前は「事前に勉強しなくても受かる」と言われることもありましたが、その前提はもう通用しません。
👉 母国で何年も運転してきた経験があっても、それだけでは合格できない試験になりました。問われているのは運転技術ではなく、日本の交通ルールを正確に理解しているかどうかです。
知識確認の前に、書類審査があります
外免切替は「試験の予約を取れば終わり」ではありません。まず書類審査の予約を取り、そこを通過してから知識確認に進みます。
書類審査を通過したその日に知識確認まで受けられる県と、知識確認が別日になる県があります。お住まいの都道府県がどちらの運用かを、事前に確認しておいてください。
書類不備は棄却につながります
書類に不備があると、その場で申請が通らず、また予約から取り直しになります。知識確認に進むことすらできません。慎重に準備してください。
外国の運転免許証(有効期限内のもの)
運転免許証の日本語翻訳文 — ジップラスまたはJAF(日本自動車連盟)などが作成したもの
住民票の写し — 国籍・在留資格・在留期間満了日・在留カード番号などが記載されているもの
在留カード、パスポート(免許取得後の滞在期間を確認するため、古いパスポートも必要な場合があります)
写真1枚 — 縦3cm×横2.4cm、6か月以内に撮影
2025年10月から、住民票が必須になりました。住民基本台帳法の適用を受けない短期滞在の方は、外交官などの例外を除き、原則として申請できません。観光で来日した方は対象外です。
運転免許証の日本語翻訳文は、ジップラスで作成できます
必要書類のうち、どこに頼めばよいか分からず止まりやすいのが「運転免許証の日本語翻訳文」です。この翻訳文は、Driveyを運営するジップラス株式会社でも作成しています。
👉 翻訳文の不備で予約を取り直すのが、いちばんもったいない遅れ方です。学習を始めるのと同じタイミングで準備しておけば、書類審査でつまずきません。
知識確認に何が出るのか
出題されるのは、日本の交通ルールの基本です。主に次の分野から出ます。
信号・標識・標示の意味 — 何を指示している標識なのか
優先関係 — 交差点でどちらが先に進むか、優先道路とは何か
徐行と一時停止 — どこで徐行し、どこで完全に停止するか
駐停車禁止 — 止めてよい場所と、いけない場所
歩行者保護 — 横断歩道や踏切での歩行者の扱い
形式は○×で答える文章問題が中心です。イラストを見て選ぶ形式ではなくなったため、文章を正確に読む力が必要になりました。
母国との「運用の違い」が問われます
この試験でとくに重要なのが、母国では当たり前でも、日本では違うルールです。改正後の出題は、この差が出やすい部分に集中しています。
日本は左側通行 — 右側通行の国から来た方は、標識の向きや右左折の考え方を取り違えやすくなります
横断歩道での歩行者優先 — 日本では、横断しようとしている歩行者がいる横断歩道の手前で必ず一時停止します。「歩行者がいたら止まる」ではなく「渡ろうとしていたら止まる」という基準です
踏切では必ず一時停止し、窓を開けて安全を確認する — 踏切での扱いは国によって大きく異なります
「徐行」という概念 — すぐに停止できる速度で進むことを指します。「ゆっくり走る」とは意味が違い、この区別が問題になります
👉 「自分の国での常識」で答えると間違えるように作られています。日本のルールとして覚え直す必要があります。
文章問題の読み違えにも注意
「〜してはならない」と「〜しなければならない」 — 日本語では否定形が文末に来ます。最後まで読まないと意味が逆になります
「原則として」「ただし」を含む例外規定 — 例外を見落とすと、正しい知識を持っていても不正解になります
「すべて」「必ず」「一切」といった言葉 — 断定的な表現が入っている問題は、例外があるかどうかが問われています
【注意】原付免許の学科試験とは「別の試験」です
よくある誤解ですが、外免切替の知識確認と、免許センターで新しく免許を取るときの学科試験は、別の試験です。
外免切替の知識確認 |
原付免許の学科試験 |
|
受ける人 |
母国に免許がある人 |
母国に免許がなくても受けられる |
問題数 |
50問 |
48問 |
合格ライン |
45問以上(90%) |
45点以上(90%) |
合格率 |
42.8% |
58.7% |
受験できる言語 |
20言語 |
都道府県により1〜5言語 |
原付講習 |
不要 |
必要(日本語のみ) |
予約 |
書類審査と知識確認の2段階/地域により1〜3か月 |
1回/比較的取りやすい |
どちらも合格ラインが90%で文章問題中心という点は共通していますが、出題される問題そのものは別です。「原付の問題集で勉強したから外免切替も大丈夫」とはなりません。
👉 自分が受けるのはどちらなのかを最初に確認してください。間違えると、対策そのものが無駄になります。
普通免許を切り替える場合は、技能確認もあります
免除対象国以外の方が普通免許などを切り替える場合は、知識確認に加えて技能確認(実際に運転する試験)も受けます。こちらも2025年10月から採点が厳しくなり、合格率は約3割から13.1%まで下がりました。
横断歩道の通過が課題に追加されました
合図(ウインカー)の出し忘れ、右左折の方法違反について、新規に免許を取る場合と同じ基準で採点されるようになりました
踏切の通過も確認項目に含まれます
運転経験が長い方ほど、母国での運転の癖が出やすい部分です。「安全に運転できるか」ではなく「日本の基準どおりに運転できるか」が見られます。
👉 繰り返しになりますが、原付免許を切り替える場合、この技能確認はありません。
費用(東京都の場合・2026年9月時点)
申請手数料(普通免許) |
2,500円 |
申請手数料(原付) |
1,600円 |
申請手数料(大型・中型) |
3,900円 |
免許証交付料 |
2,350円 |
複数の免許を併記する場合 |
200円 |
普通免許の場合、2,500円+2,350円=4,850円が目安です。このほかに翻訳文の作成費用や住民票の発行手数料がかかります。不合格になった場合、申請手数料は再度必要です。
予約が1〜3か月待ちになっている地域があります
制度改正後、受験する人と再受験する人が増えたため、地域によっては知識確認の予約が1〜3か月先まで埋まっています。
👉 不合格になると、また予約から取り直すことになります。1回で合格することが、そのまま時間を守ることにつながります。
東京都では府中・鮫洲・江東の各試験場で手続きできます。ただし江東試験場は、免除対象の29の国・地域の免許をお持ちの方のみが対象です。予約は電話または「警視庁行政手続オンライン」から行います。
よくある質問
Q. 知識確認の過去問はどこで手に入りますか?
公式に配布されている過去問はありません。ただし、出題されるのは日本の交通ルールの基本(信号・標識、優先関係、徐行・一時停止、駐停車禁止、歩行者保護)なので、この範囲を○×の文章問題形式で練習することが対策になります。本番と同じ形式で練習しておくと、読み違えによる失点を減らせます。
Q. 母国で20年運転しています。勉強は必要ですか?
必要です。合格率は42.8%で、受験者の多くは母国での運転経験がある方です。それでも6割近くが不合格になっています。問われているのは運転技術ではなく日本の交通ルールの知識で、しかも合格ラインが90%と高いためです。
Q. 何語で受けられますか?
知識確認は20言語に対応しています。ベトナム語・ミャンマー語・インドネシア語・中国語・ネパール語・タイ語・タガログ語なども含まれます。申請時に窓口で希望する言語を伝えてください。
Q. 原付だけ切り替えたい場合も技能確認は必要ですか?
必要ありません。原付免許を申請する場合、技能確認は免除されます。原付講習もありません。知識確認50問に合格すれば取得できます。
Q. 落ちたらどうなりますか?
再受験できます。ただし申請手数料が再度必要になり、予約も取り直しになります。地域によっては次の予約が1〜3か月先になるため、取得時期が大きく遅れます。
Q. 短期滞在(観光ビザ)でも切り替えられますか?
できません。2025年10月から住民票が必須になり、住民基本台帳法の適用を受けない短期滞在者は、外交官などの例外を除いて原則として申請できなくなりました。
Q. 免許を取ってすぐ日本に来ました。切り替えられますか?
免許を取得した後、その国に通算3か月以上滞在していたことが条件です。この期間を満たしていない場合は申請できません。滞在期間はパスポートの出入国記録などで確認されます。
知識確認の対策をどう始めるか
ここまで見てきたとおり、改正後の知識確認は、
問題数が50問、合格ラインが90%(間違えられるのは5問まで)
合格率は42.8%で、6割近くが不合格
文章問題が中心で、読解力も問われる
母国とのルールの違いが集中的に出題される
という試験です。運転経験があるから大丈夫、という試験ではありません。
準備するときは、次の3点を意識してください。
母国のルールとの違いから覚える — 左側通行、横断歩道での一時停止、踏切での確認、徐行の意味。ここが失点の中心です
母語で意味を理解する — 日本語の暗記から始めると、言い回しが少し変わっただけで間違えます。「なぜそのルールがあるのか」を母語で理解しておくと、初めて見る問題にも対応できます
○×の文章問題形式で練習する — 本番と同じ形式に慣れておくと、読み違えによる失点を減らせます
来日前から準備を始められます
問われるのは日本の交通ルールの知識なので、この学習は来日前からできます。入国してから教材を探し始めると、そのぶん受験が遅れます。オンラインの学習環境なら、母国にいる段階から始められます。
外免切替専用のコースがある「Drivey(ドライビー)」
外免切替の知識確認は、原付や普通免許の学科試験とは別の試験です。Drivey(ドライビー)には、外免切替の知識確認に対応した専用コースがあります。
Driveyの特徴は次のとおりです。
外免切替コース — 50問の知識確認に対応した内容で練習できます。原付・仮免・普通免許のコースとは分かれているため、自分が受ける試験の問題だけに集中できます
6言語に対応 — 日本語・英語・ベトナム語・ミャンマー語・インドネシア語・中国語。母語で日本の交通ルールの意味を理解してから、本番に臨めます
本番と同じ○×の文章問題 — 実際の形式で練習できるため、「読み違えて落とす」を減らせます
動画とQAテキスト — 横断歩道での一時停止や踏切の通過など、文章だけでは分かりにくい場面を映像で確認できます
ふりがな付きの日本語 — 日本語で受験する方も、漢字につまずかずに学習できます
運営するジップラス株式会社では、申請に必要な運転免許証の日本語翻訳文も作成しています。学習と書類準備をまとめて進められます。
合格率42.8%、そして不合格なら予約の取り直しで1〜3か月を失うという状況では、事前準備の質がそのまま取得時期を左右します。1回で合格すれば、手数料も時間も余分にかかりません。
まとめ
まず自分の国が免除対象か確認する。免除されるのは29の国・地域(主にヨーロッパ諸国と韓国・台湾・オーストラリア・カナダなど)。ベトナム・ミャンマー・インドネシア・中国・ネパールなどは対象外
免許取得後、その国に通算3か月以上の滞在が条件
知識確認は50問・45問以上で合格(90%)、合格率42.8%。2025年10月に10問・70%から変更された
原付を切り替える場合、技能確認も原付講習もありません。越えるべきは知識確認50問だけです(普通免許などの切替では技能確認13.1%があります)
知識確認の前に書類審査があり、こちらにも予約が必要。書類不備は棄却につながります。翻訳文はジップラスで作成できます
出題は信号・標識、優先関係、徐行・一時停止、駐停車禁止、歩行者保護。母国との運用の違いが集中的に問われる
原付免許の学科試験とは別の試験。原付は合格率58.7%だが受験できるのは1〜5言語で、原付講習も必要
知識確認は20言語。母語で受けられる可能性が高い
費用は東京都で4,850円(普通免許の場合)。2025年10月から住民票が必須で、短期滞在の観光客は対象外
地域によっては予約が1〜3か月待ち。不合格なら取り直しになる
制度・手数料・免除対象国は変わることがあります。この記事は2026年9月時点の情報です。申請前に、お住まいの都道府県の運転免許センターで最新の情報を確認してください。
出典:警察庁公表 2025年10〜12月の外免切替実績(知識確認 42.8%・技能確認 13.1%。日本経済新聞・日テレNEWS NNN 報道)/警察庁「運転免許統計 令和7年版」(原付免許の学科試験 受験162,668人・合格95,495人・合格率58.7%)/警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」/警視庁「外国語により受験できる学科試験について」(2026年5月11日更新)/福岡県警察「外国免許からの切り替え手続き」(原付免許申請の場合は実技の確認が不要)


